日本国内、多くの場所で日常的に食べられているうどんだが、その中でもいわば横綱にあたる日本三大うどんが存在するのをご存じだろうか。1つは香川の讃岐うどん、2つめは秋田県の稲庭うどん、そして最後が群馬県の水沢うどんだ。
水沢の由来は、群馬県渋川市にあるパワースポットとしても有名な水澤寺から取られたのだとか。本来、寺の参拝客向けに振舞われていたといううどんが次第に広まっていき、根付いた味は実に400年以上の歴史を持っている。現在では、水澤寺周辺に水沢うどん街道と呼ばれる水沢うどんの名店が軒を連ねているエリアも。
透き通るような美しさとのど越し、しっかりしたコシという水沢うどんの基本を抑えつつ、各店で付け汁やダシに拘っているので、食べ比べをしても面白い。
そんな水沢うどん発祥の店として知られている名店の1つが『田丸屋』だ。関越自動車道渋川伊香保ICより、車でおよそ15分。ここは、天正10年に創業したといううどんの専門店である。
選び抜かれた国産小麦だけを使った十割うどんと、国産小麦を自社工場で製粉し、全粒粉の香りと甘みを追求した「喜利麦」の2種類の麺をほどよく熟成。利尻・羅臼・真昆布を使い分け、本枯れ節と鮪節を用いて取った出汁と組み合わせる。
それだけでも充分に贅沢だが、より食べたければサクサクの天麩羅を添えて頂こう。老舗旅館のような趣ある店内で、うどんの歴史に触れることができるだろう。