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【リンカーン ノーチラス】2021年モデルへアップデート エクステリアは小変更にとどまるも、インテリアを刷新

2020年11月20日、リンカーン モーターカンパニーよりミッドサイズSUV『ノーチラス(Nautilus)』の2021年モデルを発表した。2021年初頭の販売開始を予定しているが、販売価格については明らかにされていない。

セダンの製造を辞めた高級車ブランド・リンカーン

リンカーンといえば、日本ではフルサイズSUVであるナビゲーターがアメ車好きな若者の間で知られている程度で、そこまでの知名度はない。

しかしながら、米国での知名度は絶大だ。なぜなら、リンカーンは日本で言うところのレクサスに相当するブランド。トヨタの中の高級車部門がレクサスであるのと同じように、フォードの中の高級車ブランドがリンカーンなのである。

ブランド名の由来はもちろん、第16代アメリカ合衆国大統領、エイブラハム・リンカーン。アメリカではキャデラックと肩を並べるラグジュアリーブランドだ。

2020年はリンカーンにとって激動の年となった。1920年にデビューし、ブランドとしても初めての量販モデルとなったリンカーン・Lシリーズの登場以来、100年という長きに渡り製造を続けていたセダン部門より完全に撤退してしまったのである。

販売不振であった中型セダンMKZはもちろん、アメリカン・ラグジュアリーの代名詞でもあったリンカーン・コンチネンタルも2020年7月を持って生産終了。多くのファンに惜しまれながら、リンカーンブランドは粛々とSUVカテゴリに焦点を絞った。現在では、アビエイターやマークE、コルセアといったバリエーション豊かなSUVを豊富にラインナップしている。

そして、今回新しく2021年モデルに生まれ変わったのが、ラグジュアリーSUV・ノーチラスだ。そのスタイリングは、現代風の洗練された高級感を放ちながらも、どこか古き良きビッグサイズSUVの面影を残している。

リンカーン ノーチラス

2Lと2.7Lターボエンジンの2種類を設定

新型ノーチラスに搭載されるのは、最高出力250ps/最大トルク379Nmを発生させる2.0L 4気筒エンジンと、最高出力335ps/最大トルク521Nmを発揮する2.7Lの4気筒ターボチャージャー付きガソリンエンジンの2種類だ。

それぞれに8速のオートマチックトランスミッションが組み合わされ、前輪駆動か全輪駆動モデルを選ぶことができる。

ターボチャージャーが搭載される2.7Lエンジンでは、時速60マイルに到達するのに5.9秒のパフォーマンスを発揮する。もちろん、エントリーエンジンに位置づけられる2.0Lエンジンであっても、市街地をゆうゆうと流す分にはパワー不足は感じないだろう。

SUVカテゴリに属しているとはいえ、ノーチラスは凹凸の激しいオフロードをがつがつと踏み越えて進むようなモデルではない。車名である“Nautilus”とは、ラテン語で「小さな船」という意味だ。

1800年にナポレオンの命により設計された、世界で初めての潜水艦・ノーチラス号のようにゆっくりと、堂々と大都会を進むのが似合う。

刷新されたインテリア

最新のリンカーンデザインが用いられることで、インテリアも刷新。新設計のダッシュボードデザインには、13.2インチという巨大なディスプレイが採用されている。

さらに、特別仕様車であるリンカーン ブラックレーベルに設定されていたインテリアカラー、シャレー/フライトの2カラーにプラスしてサンドストーン/ブラックエボニーの2色を標準で用意した。

新色であるサンドストーンは、パートナーとなるカラーを選ばない調和の色だ。

インパネ周辺を中心として、シート表皮やドア、アームレストに用いられているブラックエボニーと組み合わせられることでモダンな高級感を演出してくれる。

また、フォードのクロスオーバーSUV・エッジとプラットフォームを共通するノーチラスのキャビンは広々として快適そのもの。窮屈さなど、いささかも感じない。

車内の快適性を向上させるための装備も充実しており、シートは22段階で調整可能なマッサージシートをオプションに設定。デジタルゲージクラスターの採用により、ドライバーが情報取得のために必要な視線移動も最低限に抑えた。

ラゲッジスペースも広大で、通常時でスーツケースを12個も飲み込んでしまう。リアシートをフラットにしてしまえばなんと最大27個ものケースを積むことが可能なスペースがぽっかりと姿を現す。

リンカーン ノーチラス

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SUVカテゴリにラインナップを絞った後、リンカーンの業績は上向きだ。特に、中国での需要が高まっており、5ヵ月連続で前年/前月比でプラスを記録しているという。そのような市場にあって、ノーチラスは中国向けに現地で製造されている3番手。日本で姿を見ることはそうそうないだろうが、お隣中国では間違いなく人気モデルの一端なのだ。

今は亡きコンチネンタルの代わりと言ってはなんだが、リンカーンブランドの屋台骨となってくれることを願わずにはいられない。