2020年11月20日、メルセデスマイバッハよりマイバッハSクラスのモデルチェンジが発表された。マイバッハSクラスは、メルセデスのサブブランドで最高級のラグジュアリーモデルを手掛けるメルセデスマイバッハが手がけたリムジンであり、メルセデスベンツのSクラスを越えた究極の快適さとプレミアムさを追求している。
Sクラスよりも長い専用ボディと専用装備
新型マイバッハSクラスの3サイズは全長5,469mm×全幅1,920mm×全高1,510mmとなっている。ホイールベースは、メルセデスベンツのSロングと比較すると18cmも延長された3,396mmである。セダンのお手本ともいえるクラシックな3ボックススタイルであるが、まずはフロントフェイスのデザインから他のセダンとの格の違いを見せつけてくれる。
マイバッハ専用のボンネットには特徴的なパワーバルジが与えられ、大型のグリルにはクロームメッキのフィンを備える。このグリルは、垂直方向の3Dストリップによって非常に立体的だ。さらに、大きく開口部が開けられたバンパーは、車幅をよりワイドに見せる視覚的効果もあるという。
Cピラーにはマイバッハのブランドロゴが施され、固定のクォーターライトを採用。オプションによって、ボディは個性的なツートンカラー仕上げにすることも可能だ。このツートンカラーは熟練した職人による手作業で行われ、品質はお墨付きだ。
また、ツートンカラーと同じくオプションとしてデジタルヘッドライトを装備できる。これは、進行方向や警告のためのサインを道路前方に投影できるという新技術。130万個のマイクロ―ミラーを内蔵し、視認性の高い3つのLEDを備えたヘッドランプとなる。
OLEDを採用したインフォテインメントシステムを採用
インテリアデザインも刷新された。最新の技術と雰囲気が、天然素材と職人の技によって調和し、デジタルとアナログが融合した独特の雰囲気を作り出している。
シート表皮にはメルセデスベンツSクラスに採用されているレイヤードのデザインテーマが用いられており、プログレッシブダイヤモンドパターンとダブルシームを組み合わせた、より高級感の高いデザインとなっている。
また、今回発表された新型マイバッハSクラスには、第2世代となった最新のMUBXが採用されている。
人工知能によって学習する次世代のインフォテイントシステムは、カスタマイズが可能。無線による更新にも対応しており、インテリジェントさは従来の比ではない。
ハード面でも大きく進化しており、12.8インチのOLEDインフォテインメントディスプレイを搭載する。このインフォテインメントディスプレイからは、先代に比べて物理スイッチの数が大きく減らされている。
減らされたスイッチの数は27にも及ぶという。
究極の快適さを求めて
新型Sクラスマイバッハでは、乗り心地と静粛性にも一切の妥協がない。快適な乗り心地を追求するためのダンピングADS+を備えたAIRMATICエアサスペンションを標準装備。ダイナミックセレクトを使用することで、パワートレーン・ESP・サスペンション・ステアリングそれぞれの動きを変えることが可能だ。このダイナミックセレクトには、更に乗り心地を重視した専用モード、マイバッハモードが含まれるという。
また、静粛性を高めるためベースとなるSクラスにも採用されていたNVH(騒音・振動・ハーシュネス)の性能を向上。この性能強化はリアシートに乗る乗員への恩恵が大きい。吸収性フォームを後輪ホイールアーチ付近に装着、リアガラスには厚みのある合わせガラスを採用した。
さらに、マイバッハとしては初めてアクティブロードノイズ補正を搭載する。このシステムは、風切り音や僅かな軋み、エンジン音やロードノイズといった雑音の逆位相の音波を用いることで、不快な低周波ノイズを低減するというものだ。
それでもまだ静けさが足りないというユーザー向けに、オプションとしてフォームアブソーバーを備えるノイズ低減タイヤも用意する。
ブルメスターのハイエンド4Dサラウンド・サウンド・システムも装備しているため、乗員は静寂の中でビジネスの話をすることも、高品質な音楽に包まれてのドライブも楽しめることができるのだ。
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2015年に市場に投入されたメルセデス・マイバッハSクラス。これまでにおよそ6万台以上がデリバリーされており、2019年にはおよそ1万2千台を売り上げ、史上最もマイバッハが売れた年となった。
マイバッハSクラスは、中国・ロシア・韓国・アメリカ・ドイツを主な主戦場としている。ほとんどの市場において、2020年末を目途に販売が開始されるが、ドイツでは2021年春の導入が予定されている。