Hundreds Cars

【三菱 エクリプスクロス】マイナーチェンジ 小変更にとどまらない大幅アップデート

2020年10月15日。日本の三菱自動車が、同年12月からの販売を予定している新型エクリプスクロスの詳細を公開。同時に予約受付も開始している。エクリプスクロスは、クロスオーバーSUVであり、今回新たにPHEVが追加。本体価格は255万円~となっている。

新たな三菱デザインを纏って

エクリプスクロスは、三菱が2018年に投入した比較的新しいモデルだ。三菱にとっても4年振りのニューモデルということもあり、話題を攫ったのは記憶に新しい。

デビューからおよそ2年越しのマイナーチェンジであるが、内容を見てみるとフルモデルチェンジにも迫る様々なアップデートが施された。

エクステリアデザインだけを見てもそれは顕著に現れており、新たな三菱デザインが与えられたモデルの第1弾として、名指しで新型エクリプスクロスが挙げられている。三菱が新型エクリプスクロスのデザインコンセプトに掲げるのは「DARING GRACE -大胆さのなかに宿る優雅-」だ。

フロント周りを見てみると、三菱ファミリーのキャラクターアイコンであるダイナミックシールドが進化していることが分かる。より力強さが増しているのは、各種ランプ類のレイアウトが変更されたためだ。現行型のデリカD:5にも近いダイナミックさを感じ取ることができる。さらに、フロントバンパーアンダーにはアンダーシールド風のガーニッシュを追加。SUVらしさも忘れない。

一方、リアにも大きな変化がある。従来のモデルでは特徴的なダブルガラスを採用していたエクリプスクロスだが、新型ではシングルガラスとなった。これにより、スタイリッシュなクーペフォルムに近いラインを強調しつつ、後方視界の良さも確保。「矢じり」のような形状をしたテールランプが、エクリプスクロスであることを後続車両にアピールする。

PHEVを追加したラインナップへ

今回のアップデート最大の目玉となるのが、ラインナップに追加されたPHEVだ。パワートレーンとして、フロント/リアに1基ずつ搭載された高出力モーターに大容量のバッテリー。2.4LのMIVECエンジンを基本としてシステムを構築するアウトランダーPHEVで既に実績があるツインモーター4WDのPHEVを、ベストなチューニングを施して採用。

搭載される高出力モーターは瞬発力にも定評があり、三菱が世界に誇るスポーツ4WDセダンであるランサーエボリューションにも匹敵する加速性を手に入れたという。

また、走行モードに関しては走行状況に応じて自動で切り替わる3つのモードが設定されている。駆動用のバッテリーを使ってモーター駆動するEV走行モード。エンジンで発電した電力を用いてモーター駆動するシリーズ走行モード。エンジンをモーターがアシストしながら走行するパラレル走行モードだ。EVでの航続可能距離は、WLTCモードで57.6kmとなる。

さらに、昨今の防災意識の高まりから、新型エクリプスクロスでは要望に応える形で車内にAC100Vの電源を設置。最大1500Wの電力を供給できるこの設備は、家庭用蓄電池としての役割も備えており、満充電の状態であれば一般的な家庭のおよそ10日分に相当する電力を供給できる。

出力やトルク等のスペックは公開されていないものの、前述したとおりアウトランダーPHEVに採用されているシステムを搭載するため、ほぼ同等かそれより僅かに高いスペックを擁するものと予想される。

マイナーチェンジは打開策となるか?

販促の手伝いをする気は毛頭ないが、現在行われている注文受付の期間中にPHEVモデルを注文すると、三菱より選べるオプションプレゼントの恩恵を受けることが可能だ。

これは、4つのオプションからどれか1つを選んでプレゼントしてもらえるというキャンペーンとなっており、エクステリアをより精悍にするガーニッシュパッケージを始め、日常の安心・安全を一層強いものにする前後ドライブレコーダーパッケージ。アウトドアやレジャーでの使い勝手を向上させてくれるベースキャリアやスカッフデコレーションを装着するアウトドアパッケージ。最後に、自宅用充電ポートの設置を支援してくれる充電接尾機器設置支援の4つだ。正直なところ、かなりお得なサービス内容となっているため、どうしようか迷っているのであれば急いだ方が良いかもしれない。

このような大胆な販促を三菱が行うのは、今回のアップデートはエクリプスクロス自体の販促テコ入れという一面があるためだ。クロスオーバーSUVは、間違いなく売れ筋のカテゴリであるがエクリプスクロス自体は多くのライバルに苦しめ続けられてきた。

しかし、新型となったエクリプスクロスはこれまでとは一味違う。全長をマイナーチェンジだというのに140mmも延長し、パワートレーンを追加。デザインにも大胆な改良を加えてきたのだ。

※ ※ ※

これから、三菱はプラグインハイブリッド車を軸としたブランド力向上と収益力改善を目指すとしている。そのための「一番槍」が新型エクリプスクロスだ。重要な責任を背負ったモデルであるが、それだけに今回のマイナーチェンジでエクリプスクロスが得たものは大きく、商品力は従来の比較にならないほど向上した。現在、東京・芝浦の三菱本社ショールームにて、新型エクリプスクロスのPHEVモデルが展示されている。気になる方は、一度足を運んでみてはいかがだろうか。