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【CG】変わったのは顔つきだけか?プリウスの2019年型モデルを大解剖

2018年12月、ハイブリッドカーのベストセラーである4代目プリウスがマイナーチェンジを受けた。このマイナーチェンジにより2019モデルとなったプリウスは、一体どんな変化を遂げたのだろうか。

プリウスは、よりプリウスらしくあるべきだ

4代目プリウスは、2018年に行われたマイナーチェンジにより2019年モデル、つまり後期モデルとなったワケだが、最も大きな変更点はエクステリアデザインであることは間違いない。4代目プリウスは2015年のデビュー当時、奇抜とも呼べるフロントフェイスが物議を醸した。はっきり言って、大衆にすんなりと受け入れられたスタートではなかっただろう。

複雑な線を描くライト周りの、歌舞伎の隈取を連想させる挑戦的な造形は、すでに不動の地位を得ていたプリウスというクルマの見込み客には、どうしてもクセが強かったのである。

販売台数を振り返っても、それは顕著だ。デビュー翌年の2016年こそ販売台数トップの座を維持していたものの、2017年には販売台数を35%近く減らしている。もちろん、エクステリアデザインの変更だけが販売台数を減らした要因とは言い難いが、それでも「何故売れなかったのか?」と聞かれれば、「顔つきがちょっと……」とトヨタの営業マンが言い訳したい気持ちも分かる。

そこで、トヨタが行ったのがエクステリアデザインの刷新というわけだ。ヘッドライト/テールライトから余計なラインを取り除き、フロントからは縦に入れられていたスリットを分離させたBi-Beam LEDヘッドライトを採用。同時に、テールを横基調のデザインへ変更した。マイナーチェンジ前と後の実車を並べて見ると、印象が大きく異なることが分かる。目ヂカラの強さが悪目立ちしていたフロントフェイスは、より洗練されたものになった。プリウスの初代モデルが掲げていたような”未来からやって来た車”に、より近づいたのである。

見直されたインテリアと豊富な先進・安全装備で、より”進んだ”クルマに

インテリアにも、細かな変更が加えられている。大きな変更といえば、ステアリングとセンターコンソールパネルのカラーリングにがホワイトからブラックに変えられたことだ。ステアリングとセンターコンソールと言えば、ドライバーの視界に常に入り続ける部分。

マイナーチェンジ前は、この2つがホワイトだったこともあり、どこか落ち着きのなさがあった車内が、マイナーチェンジでブラックにされたことで引き締まり感のある車内へと生まれ変わっている。

また、4.2インチのカラーデュアルマルチインフォメーションディスプレイを搭載。併せて、スピードメーターと燃費やバッテリー状況を表示するハイブリッドシステムインジケーターを備えたヘッドアップディスプレイも採用した。

また、先進安全装備についても強化されている。全車にトヨタの予防安全パッケージであるトヨタ セーフティセンスを標準装備。コネクティッドも向上しており、DCMを全車で標準装備としたことで、T-コネクトのサービスを受けられるようになっている。

世界のハイブリッド市場をけん引するリーダーとして

デザイン面では変更が加えられているこのプリウスだが、パワートレーンや基本的なメカニズムに関してはほとんど手が加えられてはいない。

パワートレーンには1.8L 直列4気筒DOHCエンジンに加え、次世代ハイブリッドシステムであるTHSⅡを搭載。カタログスペックではJC08モード計測で37.2km/L、グレード Eでは39.0km/Lという他モデルの追随を許さない圧倒的な燃費性能を誇っている。ちなみにこの数値、ガソリンが80Lあれば日本を縦断できてしまう計算だ。実燃費では25km/L前後となるものの、それでも燃費が”良すぎる”ことに変わりはない。

もちろん、燃費だけではなく採用されているトヨタのTNGAに基づいた次世代プラットフォーム GA-Cプラットフォームのおかげで乗り心地も良好だ。走行性能は元より、ボディ剛性や静粛性の向上は飛躍的にアップしている。

プリウスは、世界初の量産型ハイブリッドモデルとして鮮烈なデビューをしたモデルだ。世界で見れば、これまでに600万台以上が販売されている。歴史や文化、四季と同じように日本が世界に誇れるモノといっても過言ではないだろう。燃費だけではなくデザインや先進性、走行性能を備えたプリウスのこれからの挑戦に期待したい。