2020年8月20より、スバルの大人気スポーツツアラー・レヴォーグの次期型モデルの受注が開始される。レヴォーグの初代モデルが国内デビューしたのは2014年、6年越しのモデルチェンジだ。
そんな大人気モデル・レヴォーグの2代目ということで高く注目を集めている。
受注開始に先駆けて、スバルのメーカーホームページには、すでにティザーサイトが公開されているというが果たして?
誰が見てもレヴォーグの新型だと分かる純正進化したデザイン
次期型レヴォーグは、2019年に開催された東京モーターショーにて公開された試作型をべースとして開発、量産車として市販化される見込みだ。
エクステリアデザインは、スバルがレヴォーグを「ステーションワゴン」と呼ばないように、荷室を備えたスポーツカー。つまり、スポーツツアラーであることを主張するようなシャープさとアグレッシブさが同居するデザインとなっている。
フロントグリルは横幅を伸ばして大型化。左右のヘッドランプは、内側に“えぐり”を入れた鋭い造形となっており、先代のそれを純正進化させたような印象だ。
ボディ全体のキャラクターラインは複雑化しており、鋭くエッジが立ったスタイルはスポーツカーそのものだ。
しかし、ボディサイドのラインを見てみると、直線的なラインと滑らかな線が用いられている。これは、レヴォーグの“おおらかさ”を表しているのかもしれない。
リアでは、エアロダイナミクスに寄与するブラックの樹脂製パーツで構築する。空力に優れるこのパーツにより、高速安定性や環境性能、操縦のしやすさを向上させている。
1本化したパワートレーンは1.8Lのターボエンジン
先代レヴォーグでは、2.0L/1.6Lのターボエンジンをラインナップしていたが、次期型レヴォーグでは新しく開発された1.8Lターボエンジンのみとなる。
しかしこのエンジンは、単純に2.0Lのエンジンを小さくしたものではないことを先に言っておかなくてはならない。1.6Lのエンジンにとってかわる、全く新しいユニットとして開発されたものだ。
1.6Lのエンジンに比べ、実用速度域での加速と燃費性能の向上を目指して生み出され、トルクも当然向上しているため、追い越しの加速とストップ&ゴーを繰り返す、街中での燃費が改善されている。
また1.6Lエンジンの変わりは、新しい1.8Lエンジンが立派に務めてくれる。となれば、2.0Lエンジンの後釜もいずれ生み出されるのではないだろうか。こちらも、排気量をボアアップしたエンジンの搭載モデルが発売される可能性は高い。
この1.8Lのエンジンに、CVTのリニアトロニックトランスミッションを組み合わせる。レスポンスを高めたトランスミッションの性能も、大幅に向上させているという。
また、採用されているプラットフォームは、2016年にデビューした現行型の5代目インプレッサに採用されているスバルグローバルプラットフォームをベースに、新しくフルインナーフレーム構造を使用したプラットフォームだ。
フルインナーフレーム構造とは、シャシーの上にピラー等のフレームを始めに溶接するタイプである。このプラットフォームの特徴は、強化したい部分をピンポイントに強化できる点。シャシーとフレームを効率よく一体化することで、ねじり剛性やハンドリング、乗り心地を大きくアップさせている。
スバルのアイサイトも進化
高い水準を誇るスバルの安全技術「アイサイト」も進化を遂げた。次期型レヴォーグと共に登場するのは、最新の次世代アイサイトである。
この次世代アイサイトでは、日立オートモーティブ製だったハードが変更。同時に、ソフトウェアも全面的に刷新されることになる。
この変更でカメラの画角が拡大し、レーザー照射を組み合わせることにより検知範囲を広げることに成功した。さらに、車載センサーを4つに増加。現在地情報の精度を向上させるため、高精度マップに加えてロケータを新しく採用する。
この変更は革新的だ。つまり、次世代アイサイトは周囲360度のターゲットを常に把握しながら、自分の現在地を常に把握するという機能を同時に実現するのだ。
センサーによって得られる情報は格段に増え、高精度で現在地を把握し続けるのは、システムにかなりの負担をかけることになる。本来なら、本体価格にも大きな影響を及ぼすはずだ。
しかし、次期型レヴォーグはそれだけのコストアップがあっても、ほぼ無視できる範囲に収めているという。トヨタのセーフティセンスや日産のプロパイロットと比べても、かなり優秀なシステムになるのではないだろうか。
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次期型レヴォーグは、10月より生産が開始され、翌11月よりデリバリーが開始される予定だ。モデル末期となり、熟成が進んだ先代レヴォーグも魅力的なモデルだったが、次期型もかなり期待できるモデルとなりそうだ。メーカーからの続報に注目したい。