山口県・下関がくじらと関りの深い町であることは、意外と知られていない。古くは弥生時代に鯨の骨を使ったアワビオコシを作り、明治時代には近代捕鯨が確立されたことで、加工と販売の基地となった。
その後、一旦は中止していた捕鯨であるが、終戦後には貴重なたんぱく質の確保のために再開。昭和30年から40年代に掛けて、水揚げされたくじらの肉は2トンにも及んでいたという。
そのような歴史的背景もあり、下関は今でもくじらの街だ。調査捕鯨のために漁獲されたくじらを味わうことができる。その先頭に立つのが『下関くじら館』だ。
中国自動車道下関ICを最寄りとし、高速を降りたら県道57号線を経由して国号9号線を走ろう。インターからは、およそ10分の場所にある。
下関くじら館は、「鯨は大衆の食べ物」をモットーに掲げる店舗だ。そのため、メニューは非常にリーズナブル。誰でも気兼ねなく、くじらでお腹いっぱいになれるだろう。
下関の学校給食でも出されるというポピュラーな「くじら竜田揚げ」や「くじら串カツ」といった揚げ物を始め、尾羽や舌・内蔵類を盛り合わせた「珍味各種」が人気メニュー。居心地の良い店内で、下関ならではのくじら料理を堪能しよう。