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【3DCG】プジョー 新型208がデビュー、電動化モデルも追加

2020年7月2日、プジョーのコンパクトカー208が新型へとモデルチェンジを遂げた。従来のガソリンモデルに加え、待望のEVモデルもラインナップへ加わっている。2019年開催のジュネーブモーターショーで披露されてから、およそ1年後の日本上陸となった。

PSAの新世代プラットフォームを採用

今回のフルモデルチェンジにて、208は2代目となった。次世代プラットフォームであるCMP(Common Modular Platform)を採用する、Bセグに属したコンパクトカーだ。日本車でのライバルと言えば、ホンダ フィット/トヨタ ヤリス/マツダ マツダ2となる。

プラットフォームのCMPは、シトロエンのDS3クロスバックに初採用され、その完成度の高さはお墨付きだった。新型208は、CMPを採用する第2弾である。基本的なメカニズムも、DS3クロスバックをベースとしたものだ。

初代208には3ドアモデルも用意されていた。しかし、新型208では全車5ドアのハッチバックで統一されている。3サイズは全長4,095mm×全幅1,745mm×全高1,445mmとなっており、取り回しの良さは言わずもがなだろう。

この数値は、先代モデルより全長を80mm伸ばし、5mm広く、30mm低くしたサイズだ。この変更により、伸びやかさを感じさせつつ、力のある塊感を演出する。

ショルダーラインをわずかに引き上げ、キャビン部分は絞り込む。3D的な“ハリ”のある面での構成は、視覚的にもまとまりを感じさせてくれる。

さらに、プジョーのエンブレムになっているライオンの爪に着想を得たデザインを用いたヘッドランプとリアのコンビランプを採用し、同クラスの中でも個性的なエクステリアを獲得した。

また、インテリアでは小さなステアリングとメータークラスターを高い位置にマウントしたi-Cocpitが特徴的だったプジョー。新型208では、これをさらに進化させ3D i-Cocpitを採用した。三次元的なグラフィックで情報を表示する新たな3Dデジタルヘッドアップインストルメントパネルを搭載し、次世代的なコクピットを生み出している。

100PSの1.2Lピュアテックエンジンを搭載

新型208が日本導入されるにあたり、搭載されたエンジンは1.2Lの3気筒直噴ターボエンジンである。ピュアテックと呼ばれるエンジンだ。最高出力100PS/最大トルク205Nmを発揮するこのユニットに、8速のオートマチックトランスミッションが組み合わせられる。

海外使用にはマニュアルやディーゼルの設定があり、100PSのターボか…と落胆したユーザーも多いかもしれないが、クルマの魅力を馬力で語るのは前時代的である。

重要なのはトルクだ。車両重量1,160kgと比較的軽量な車体を、205Nmのトルクでグイグイと加速させていく。8速のオートマが秀逸であり、ギアチェンジはなめらかで変速のショックなど皆無だ。

足回りに関してはフロントがマクファーソンストラット、リアがトーションビームとなっている。グレード毎でセッティングや採用されているパーツに変化はないが、タイヤサイズが異なる。ミドルグレードのアリュールにはフロント/リア共に195/55R16、スポーツグレードのGTラインには205/45R17が装着される。

1世代前のプジョーのモデルは、ドイツ車を意識したのか乗り心地を硬くしたモデルが多かった印象だ。だが、新型208ではマクファーソンストラットにトーションビームという古典的な組み合わせのセッティングが抜群にうまい。

橋の継ぎ目を渡った後の、振動の収め方が素晴らしいのである。プジョー伝統の猫足が帰ってきたな、と思わせてくれる仕上がりだ。特にそれは、ハイトの高い16インチタイヤを履いたアリュールで顕著に感じることができるだろう。

プジョー 208

完全電動モデルもラインナップに追加

208が新型になると同時に、完全電動モデルであるe208もデビューした。搭載されるモーターは、最高出力136PS/最大トルク26.5kg-mを発生させる。

バッテリーの最大容量は50kWhとなっており、従来の内燃機関搭載モデルで換算すると2.6Lエンジンに匹敵するトルクを瞬時に発生させることができるという。

e-208は2010年より掲げていたブランドスローガン「MOTION & EMOTION」を、2019年より「MOTION & e-MOTION」へと変更している。イニシャルの「E」を電動化を示す「e」に変えた形だ。e208は、新型208のトップグレードであると同時に、プジョー電動化の先駆けとなるモデルである。

優れたデザインと復活した猫足、EVも揃っている新型208はコンパクトカーの枠に収まり切れない魅力を持った1台である。