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ジャガーのクラシック部門が、Cタイプ・コンティニュエーションを限定8台で生産を発表

ジャガーのクラシック部門より、1951年から1953年にかけて製造されたスポーツカー・Cタイプの生誕70周年記念を祝い、継続生産モデルを限定で8台製造すると発表した。復刻されるのは、来年2022年になるとしている。

コンティニュエーションとは

継続生産、つまり「コンティニュエーション」を名乗るモデルの復刻を発表したのは、ジャガーのクラシック部門にとってこれが初めてのことではない。

初めてのコンティニュエーションモデルは、1961年にデビューしたEタイプのレーシングモデル・Eタイプライトウェイトコンティニュエーションだ。

60年代のスポーツカー耐久レースで、カテゴリーの表彰台を総ナメにしていたフェラーリを打倒すべく生み出されたEタイプ。アルミ合金製のボディに、チューンナップしたXK型直列6気筒を搭載。

Eタイプのコンティニュエーションでは、当時のスペックを再現する形で製作され、一部のクラシックカーレースにも出場可能だった。ちなみにこのEタイプライトウェイトコンティニュエーション、サザビーズの競売にも掛けられており、落札価格は日本円でおよそ1億8,000万円という値段が付けられたこともある。

コンティニュエーション――要は古くて新しいという一見矛盾する、ジャガーお墨付きの限定生産コレクターズアイテムという位置づけだ。

ル・マンも制したCタイプ

さて、Cタイプの話に戻る。Cタイプは、元々1951年にジャガーが第二次世界大戦後初の新型車として生み出したXK120をベースとしたレーシングモデルである。

3.4Lの直列6気筒エンジンに、管材を用いて製作するチューブラーフレームとオールアルミボディを組み合わせ、デビューしたての51年と2年後の53年にル・マン24耐にて王座を獲得。ジャガーの技術力の高さを世界に知らしめた1台だ。

このCタイプだが、作られたのは1台というわけではなく、合計で53台製造された。その内43台は個人向けに販売されており、市販モデルはツインSUキャブレター採用エンジンを搭載していた。

当初、構造的にも製造が容易なドラムブレーキを採用していたCタイプだが、52年に当時としては革新的なブレーキシステムだったディスクブレーキを採用。無冠の帝王のニックネームで知られる伝説的なドライバー、スターリング・モスも、そのステアリングを握った。

この時は、フランスで開催された公道を利用するランス・グーのグランプリにおいて、優勝した記録が残されている。

ただのレプリカにあらず

今回発表されたCタイプのコンティニュエーションモデルでは、前述したル・マン24耐を頂点に輝いたスペックが反映されるという。S54スカイラインにも採用されたイタリアのウェーバー社製3連キャブレター搭載3.4L 直6エンジンは最高出力220hpを発揮。もちろん、ブレーキはディスク方式となっている。

ジャガー・クラシックがこれまで世に送り出してきたEタイプ・XKSS・Dタイプのコンティニュエーションと同様に、社内に残されている秘蔵のアーカイブとオリジナルからスキャンしたデータを最新の技術で解析。単なるレプリカではなく、極限までオリジナルに近いCタイプを製作するために心血を注いだ。

ジャガーのクラシックモデルには、数多くのレプリカが存在する。例えば、Dタイプはレプリカの多さに定評があるモデルだ。

リンクスやディータイプ、ウイングフィールドなどなど……相当な精度で製作されたレプリカも存在する。

それらは、現行モデルのスーパーカーにも比肩する価格で取引されてきた実績もあるが、それらを上回る精度で作られるコンティニュエーションは、ジャガー肝入りの特別な存在なのだ。

※ ※ ※

2022年には顧客の元に届けられるとされるジャガー・Cタイプコンティニュエーションだが、オプションとしてFIAに公認されたハーネスやロールオーバーシステムが用意されているという。つまり、Cタイプはレースへの参加が公式に認められるということだ。レースに勝つために生まれた流線型のボディは、公道をとろとろと流したり、車庫で眠っている姿は似合わない。クローズドコースで、エンジンから思い切り唸り声を上げている姿が一番似合うのは間違いないだろう。

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