長崎を代表するスイーツがカステラだ。16世紀の中ごろにポルトガルから持ち込まれたというカステラは、長崎に伝わったのち多くの和菓子店で作られるようになる。
中でも『福砂屋 長崎本店』といえば、1624年に創業したカステラの老舗だ。カステラの本家として商標登録もされている。創業以来、徹底した手作りと無添加に拘っており、福砂屋のカステラが消費に耐えうるのはわずか9日間という短命さ。それだけに、品質も確かなものなのだ。
材料となる卵の黄身と白身を分けて拡販する別立法のおかげで、スポンジはしっとりふわふわの食感となる。カステラの底に敷かれたザラメの歯触りとほろ苦さが、卵が持つ本来の甘みを強調。手仕上げの繊細さを感じることができるだろう。
また、福砂屋ではスタンダードな「福砂屋のカステラ」以外にも、ココアやクルミ、レーズンを混ぜ込んだ「オランダケーキ」や小麦粉の配合を減らし、卵の比率をあげた「特製五三焼カステラ」といったバリエーションカステラも製造している。自分で味わっても、お土産としても喜ばれること請け合いだ。
九州横断自動車道からながさき出島道路へ。ひたすら直進し、国道499号線に入らず築町通りを経由して、春雨通りの思案橋交差点を右折すると目的地に到着だ。